후리가나로 읽는 일본 고전
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かれ だいに
彼 第二
芥川 竜之介의 彼 第二(かれ だいに)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 5,491자 · 12화면
僕はその指環を手にとって見、内側に雕ってある「桃子へ」と云う字に頬笑まない訣には行かなかった。
「僕はその『桃子へ』の下に僕の名を入れるように註文したんだけれど。」
それはあるいは職人の間違いだったかも知れなかった。しかしまたあるいはその職人が相手の女の商売を考え、故らに外国人の名前などは入れずに置いたかも知れなかった。僕はそんなことを気にしない彼に同情よりもむしろ寂しさを感じた。
「この頃はどこへ行っているんだい?」
「柳橋だよ。あすこは水の音が聞えるからね。」
これもやはり東京人の僕には妙に気の毒な言葉だった。しかし彼はいつの間にか元気らしい顔色に返り、彼の絶えず愛読している日本文学の話などをし出した。
「この間谷崎潤一郎の『悪魔』と云う小説を読んだがね、あれは恐らく世界中で一番汚いことを書いた小説だろう。」
(何箇月かたった後、僕は何かの話の次手に『悪魔』の作家に彼の言葉を話した。するとこの作家は笑いながら、無造作に僕にこう言うのだった。――「世界一ならば何でも好い。」!)
「『虞美人草』は?」
「あれは僕の日本語じゃ駄目だ。……きょうは飯ぐらいはつき合えるかね?」