후리가나로 읽는 일본 고전
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おもいだすことなど
思い出す事など
夏目 漱石의 思い出す事など(おもいだすことなど)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 57,003자 · 113화면
裏の山は余の室から廊下伝いにすぐ上る便のあるくらい近かった。障子さえ明けておけば、寝ながら縁側と欄間の間を埋める一部分を鼻の先に眺める事もできた。その一部分は岩と草と、岩の裾を縫うて迂回して上る小径とから成り立っていた。余は余のために山に上るものの姿が、縁の高さを辞して欄間の高さに達するまでに、一遍影を隠して、また反対の位地から現われて、ついに余の視線のほかに没してしまうのを大いなる変化のごとくに眺めた。そうして同じ彼等の姿が再び欄間の上から曲折して下って来るのを疎い眼で眺めた。彼らは必ず粗い縞の貸浴衣を着て、日の照る時は手拭で頬冠りをしていた。岨道を行くべきものとも思われないその姿が、花を抱えて岩の傍にぬっと現われると、一種芝居にでも有りそうな感じを病人に与えるくらい釣合がおかしかった。
彼等の採って来てくれるものは色彩の極めて乏しい野生の秋草であった。
ある日しんとした真昼に、長い薄が畳に伏さるように活けてあったら、いつどこから来たとも知れない蟋蟀がたった一つ、おとなしく中ほどに宿っていた。その時薄は虫の重みで撓いそうに見えた。そうして袋戸に張った新らしい銀の上に映る幾分かの緑が、暈したように淡くかつ不分明に、眸を誘うので、なおさら運動の感覚を刺戟した。