후리가나로 읽는 일본 고전
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おもいだすことなど
思い出す事など
夏目 漱石의 思い出す事など(おもいだすことなど)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 57,003자 · 113화면
同時に秋は幾度の昼夜を巻いて、わが心の前を過ぎた。空はしだいに高くかつ蒼くわが上を掩い始めた。
もう動かしても大事なかろうと云う頃になって、東京から別に二人の医者を迎えてその意見を確めたら、今二週間の後にと云う挨拶であった。挨拶があった翌日から余は自分の寝ている地と、寝ている室を見捨るのが急に惜しくなった。約束の二週間がなるべくゆっくり廻転するようにと冀った。かつて英国にいた頃、精一杯英国を悪んだ事がある。それはハイネが英国を悪んだごとく因業に英国を悪んだのである。けれども立つ間際になって、知らぬ人間の渦を巻いて流れている倫敦の海を見渡したら、彼らを包む鳶色の空気の奥に、余の呼吸に適する一種の瓦斯が含まれているような気がし出した。余は空を仰いで町の真中に佇ずんだ。二週間の後この地を去るべき今の余も、病む躯を横えて、床の上に独り佇ずまざるを得なかった。余は特に余のために造って貰った高さ一尺五寸ほどの偉大な藁蒲団に佇ずんだ。静かな庭の寂寞を破る鯉の水を切る音に佇ずんだ。朝露に濡れた屋根瓦の上を遠近と尾を揺かし歩く鶺鴒に佇ずんだ。枕元の花瓶にも佇ずんだ。