일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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おもいだすことなど

思い出す事など

夏目 漱石

夏目 漱石의 思い出す事など(おもいだすことなど)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 57,003자 · 113화면

아오조라 문고

もっとも趣から云えばまことに旧い趣である。何の奇もなく、何の新もないと云ってもよい。実際ゴルキーでも、アンドレーフでも、イブセンでもショウでもない。その代りこの趣は彼ら作家のいまだかつて知らざる興味に属している。また彼らのけっして与からざる境地に存している。現今の吾らが苦しい実生活に取り巻かれるごとく、現今の吾等が苦しい文学に取りつかれるのも、やむをえざる悲しき事実ではあるが、いわゆる「現代的気風」に煽られて、三百六十五日の間、傍目もふらず、しかく人世を観じたら、人世は定めし窮屈でかつ殺風景なものだろう。たまにはこんな古風の趣がかえって一段の新意を吾らの内面生活上に放射するかも知れない。余は病に因ってこの陳腐な幸福と爛熟な寛裕を得て、初めて洋行から帰って平凡な米の飯に向った時のような心持がした。

「思い出す事など」は忘れるから思い出すのである。ようやく生き残って東京に帰った余は、病に因って纔かに享けえたこの長閑な心持を早くも失わんとしつつある。まだ床を離れるほどに足腰が利かないうちに、三山君に遺った詩が、すでにこの太平の趣をうたうべき最後の作ではなかろうかと、自分ながら掛念しているくらいである。