후리가나로 읽는 일본 고전
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あしのうら
怪奇探偵小説名作選7 蘭郁二郎集 魔像
蘭 郁二郎
蘭 郁二郎의 怪奇探偵小説名作選7 蘭郁二郎集 魔像(あしのうら)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 109,233자 · 223화면
蛍火が、絶入るばかりに蒼白かったせいか、その美しい貌だちをもった、まだ十七八の少女の顔が、殊更、抜けるように白く見え、その滑かな額には、汗のような脂が浮き、降りかかった断髪が、べっとりと附ついていた。そして、それと対照的に、ついさっき塗られたばかりらしいルージュの深紅と血潮とが、ぼーっと明るむたびに、火のように眼に沁るのだ。
太陽のもとでは、さぞ酷らしいであろうその屍体が、このぼーっ、ぼーっと照しだされる蛍火の下では、どうしたことか却って、夢に描かれたように、ひどく現実離れのした倒錯した美しさを見せるのであった。
――鷺太郎は、恐ろしさというよりも、その蛍火の咲く夏草の下に、魂の抜け去った少女の、この世のものでない美しさに、心を搏たれてしまったのだ。
四
軈て、はっと我れにかえった鷺太郎は、思い出したように、
(警察へ――)
と気づくと、大急ぎで、又崖を馳上り、夜道を巡査派出所の方へ馳けはじめた。
『白藤さん……じゃないですか』
と、行く手の方から、ふらりふらりやって来た男が、擦れちがいざま、名を呼んだ。
彼は、名を呼ばれて、ギクンと立止った。