후리가나로 읽는 일본 고전
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きょうふおう
恐怖王
江戸川 乱歩
江戸川 乱歩의 恐怖王(きょうふおう)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 66,038자 · 133화면
十分程たつと、追手の蘭堂を初め書生達が、空しく引返して来た。そのあとから、青ざめた女中達がオズオズと、寝室の入口へ顔を出した。
「奥さん申訳ありません、逃がしてしまいました」
蘭堂はセイセイ息を切らしながら云った。
夫人はやっと顔を上げて、キョトキョトとあたりを見廻した。
「では、あの京子も……」
「エエ、京子さんの死骸もです。僕はとりあえず附近の交番に立寄って、非常線の手配を、電話で本署に頼んでくれる様に云って来ましたが。もう手遅れかも知れません」
「見失ったのですか」
「そうです。……僕は駈けっこでは人にひけを取らない積りなんだけれど、あいつにかかっては敵いません。あいつは全くゴリラです。人間ではありません。あんな重いものを抱えながら、まるで黒い風の様に走るのです。町角を三つばかり曲ったと思うと、もう影も形も見えませんでした。実に恐ろしい魔物です。今頃非常線の手配をした所で、恐らく無駄でしょう」
蘭堂は申訳なさそうに説明した。
「本当です。奥さん。あいつは人間じゃありません。僕等は心臓が喉から飛出す程走ったんだがなあ」
一人の書生が残念そうに怒鳴った。