후리가나로 읽는 일본 고전
ja-reading.com
후리가나가 있는 일본 고전을 온라인으로 읽으세요. JLPT 수준으로 골라 보고, 단어를 눌러 뜻을 확인하고, 문장을 번역하세요.
ほうろうき(しょしゅつ)
放浪記(初出)
林 芙美子
林 芙美子의 放浪記(初出)(ほうろうき(しょしゅつ))을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 103,349자 · 207화면
」
何と不安もなく、その娘は、漠々とした風景の中のたった一ツの赤い唇に、うすむらさきの、なぎなたほうずきを、クリイ、クリイ鳴らしながら、私を連れて後へ引返してくれた。
日在浜のはずれ、丁度長者町にかゝった、砂浜の小さな破船のような茶屋である。
此茶屋の老夫婦は、気持ちよく風呂をわかしてくれたりした。
こんな延々と、自然のまゝの姿で生きていられる世界もある。
私は、都のあの荒れた酒場の空気を思い出すさえおそろしく思った。天井には、何の魚の尻尾か、かさかさに乾いたのが張りつけてある。
此部屋の灯も暗らければ、此旅の女の心も暗い。
何もかも事足りなくて、あんなに憧憬れていた裏日本の秋も見る事が出来なかったが、此外房州は、裏日本よりも大まかな気がする。市振から親不知へかけての民家の屋根に、沢庵石のようなものが、ゴロゴロ置いてあったのや、線路の上まで、白いしぶきのかゝるあの蒼茫たる風景、崩れた崖の上に、紅々と空に突きさしていたあざみの花、皆何年か前のなつかしい思い出だ。
私は磯臭い蒲団にもぐり込むと、バスケットから、コロロホルムのびんを出して、一二滴ハンカチに落した。