후리가나로 읽는 일본 고전
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いけぶくろのかい
文藝別冊[総特集]岡本綺堂
岡本 綺堂
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N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 72,671자 · 149화면
最初は夜中にかぎられていたが、後には昼間でもときどきに落ちることがある。石はみな玉川砂利のような小石であった。これが上屋敷にもきこえたので、若侍五、六人ずつが交代で下屋敷に詰めることになったが、石は依然として落ちてくる。そうして、何人もその正体を見とどけることが出来ないのであった。
勿論、屋敷の名前にもかかわるというので、固く秘密に付していたのであるが、口の軽い若侍らがおしゃべりをしたとみえて、その噂がそれからそれへと伝わった。わたしの父はその藩中に親しい友達があったので、一種の義勇兵としてこの夜詰に加えてもらうことを頼んだ。表向きには到底そんなことは許されないのであるが、幸いにそれが下屋敷であるのと、他の若侍にも懇意の者が多かったので、まあ遊びに来たまえといったようなことで、ともかくも一度その夜詰の仲間に加えられた。妖怪を信じない父であるから、なんとかしてその正体を見破って、臆病どもの鼻をあかしてやろうぐらいの意気込みで出かけた。それは六月のなかばで、旧暦ではやがて土用に入ろうというカンカン天気のあつい日であった。
父の行ったのは午後の八つ半頃(午後三時)で、きょうは朝から一度も石が落ちないとのことであった。