후리가나로 읽는 일본 고전
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どうじ
文豪怪談傑作選 室生犀星集 童子
室生 犀星
室生 犀星의 文豪怪談傑作選 室生犀星集 童子(どうじ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 177,454자 · 357화면
「あれが来ていると考えるより仕方がない。」笏は、そう言ってあたりを眺めても、何も影らしいものすらなかった。――二人は、青色を合んだ夜空の下へ出て、置石のそばへかがんだ。妻は、石燈籠の燈石のあるそばで、燐寸を擦った。そして苔の生えた青い燈籠に灯を入れた。
「久しい間灯を入れなかったな。」
笏は、くらい繁りの間にその燈籠の灯のちらつくのを眺めた。が、しばらくすると、女はひっそりした声で笏を呼んだ。
「たいへんな虫。」女は、そこの湿りある地面を指さした。そこにれいのくろぐろした馬陸が、小さい足跡を縫うように這い動いていた。
「あれはやはり来ているのね。」
女の、その声は嬉しそうに輝いていたが、どこか凄気のある青くさい声音であった。
「来ているらしい。」
笏は、女と同様に広い庭さきに目をさまよわせたが、蒼茫とした月明を思わせるようにあかるい夜ぞらと庭樹の間にはそれらしい陰影すらなかった。が、又何となくふしぎに目のとどくところに茫乎とした影が、ちぢまり震えて見えるような気もした。繁りの奥や、幹が地に立つところに、かれらはその愛児の姿の、ほとんど水に濡れたようになっているのを眺めた。