후리가나로 읽는 일본 고전
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しんしょたいこうき
新書太閤記
吉川 英治
吉川 英治의 新書太閤記(しんしょたいこうき)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 186,659자 · 372화면
鬱々たる家康の胸中のものが、ついに凝って、病となったか、
「家康、病む」
という風評がどこからともなくぱっと立った。病は、不治のめんちょうだといわれ、いまや重態だという者すらある。
うわさは、隣国の北条家や、甲州その他の、潜伏勢力をよろこばせた。わけて大坂の羽柴方では、手を打って――家康病む――家康危篤――家康死す――とまで、話は大きく、しかも真しやかに伝えられているという。
越後の上杉家にも、やがて風聞が伝わって来た。
一日、宿老たちが、上杉景勝の前で、この噂を持ち出すと、景勝は長嘆して、
「もし噂が真実ならば惜しみても余りあることだ。つい十余年前には、信玄、謙信、氏康、信長の四巨星が世にあって、それぞれの特長を備え、武門森列たる壮観を見せていたものだが、いまは大坂に秀吉、東海に家康の二人ぐらいしか人物らしいものはいない。しかも家康はまだ四十幾歳という若さだし、将来もある大器としているのに、ここで彼を失うことは、大きくいって日本の損失でもある。もし、家康がいなくなれば、秀吉にとっても、良敵を失うわけで、早成の弊をきたし、決していい結果にはなるまい。