후리가나로 읽는 일본 고전
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しんしょたいこうき
新書太閤記
吉川 英治
吉川 英治의 新書太閤記(しんしょたいこうき)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 187,841자 · 376화면
忽ち、横山城へ馳せもどって、将士をねぎらい、夏を江北の山城にすずしげに送っていた。
が、武人の休養は、戦場より苦しいと兵などはいう。毎日、鍛錬は怠らない。その休養のあいだが約百日ほどつづいた。
九月にはいると、
「出陣!」
の令が下って、山城の門はひらかれた。横山を降りて、湖岸に出るまで、兵たちはどこへ戦いに行くのか知らなかった。
湖畔には大船が、三艘もついていた。馬も人もどかどかとそれに乗ってから、士卒たちは初めて、
「石山か。叡山か」
と、こんどの戦場の方角を知ったくらいであった。
兵船はすべて新造の木の香を放っていた。ことしの正月以来、丹羽長秀が奉行となって、孜々と造船していたものである。
大湖の秋を渡って、対岸の坂本についてみると、すでに信長以下の――佐々、柴田、佐久間、明智、丹羽などの諸大将はさきに寄せていた。叡山のふもとは眼のとどく限り、織田軍の旗だった。
「いつのまに?」
と、味方ですら眼をみはったほど迅速な行動だったのである。去年の冬、ここの囲みを解いて、岐阜へ引きあげた時から丹羽五郎左衛門に命じて、いつ何時でも湖を押し渡れる大船の準備を命じておいた信長の遠謀を、今になって、人々は思いあわせるのであった。