후리가나로 읽는 일본 고전
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しんしょたいこうき
新書太閤記
吉川 英治
吉川 英治의 新書太閤記(しんしょたいこうき)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 197,228자 · 394화면
――その白壁を微かに見たとき、彼は思わず双手をあげたい程、心の奥で叫んだ。
「落ちていない! まだ落ちていないぞ」
すると、うしろの方で、にわかに馬のいななき、車の輪がとどろいて来た。それは喧騒な人声と草埃りにつつまれて――。
見ると。
馬の背には雑穀や青物、牛車には粮米のかますなど、山のように積んでいる。いうまでもなく甲軍の荷駄隊だ。近郷から徴発して来たものを前線の兵站部へ輸送してゆく途中らしい。
馬の汗、人の汗に、西陽が赤々と光っている、蜿蜒と長い列だった。兵だけでも百人からいよう。徴発された百姓も、大勢見えるし、甲州者の人夫も馬を曳き、牛車の歯車に手をかけて廻している。
「ちくしょうッ」
「あるかねえかッ」
これも戦争である。このあたりは粒子の細かい土埃りの道でなければ、葭や水草の多い沼地であった。わだちも蹄も没してしまう。
奄々たる人馬の息と臭いが、ふと途切れる、また続く、また途切れる――。そのあいだを、泥か人間か分らないような兵や担夫が、列伍なく、駈けたり物を担いだり、切れた草鞋を持ったりして歩いてゆく。
いつのまにか巧みに交じって、強右衛門はその中の一人になりすましていた。