후리가나로 읽는 일본 고전
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しんしょたいこうき
新書太閤記
吉川 英治
吉川 英治의 新書太閤記(しんしょたいこうき)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 187,757자 · 375화면
佇んでいるほどの間もなく、勝家は馬上のまま通って来た。切り折った槍の柄を片手にもち、負傷している容子はないが、満面いや満身、悽愴の気にまみれている。
その馬の口輪は、迎えに走った子息利長が握って、親切にみずから案内して来たのである。供の八騎は、中門外に残して来たとみえ、これは勝家一騎だった。
「御子息。……恐縮恐縮」
世辞よく、馬から降りて、そこで利家の顔を見ると、まず自嘲するように、こう大声で云った。
「負けたわ負けたわ。……無念ながらかくの如しじゃ」
思いのほか元気であるのだ。いや、そう見せている勝家なのかも知れないが、とにかく見ぬ前に、利家が想像していたよりは、はるかに磊落な風である。
「まずまず。……さ、そのまま、そのまま」
利家は、この敗将を迎えるに、日頃以上、懇ろだった。子息の利長も、父に劣らぬ誠意をもって、この落人の血に染れた草鞋の片方を解いてやりなどする。
「やれやれ。……わが家に帰ったようなここちだわ」
かかるときの人の温情が、滅失の淵にある人に真実の感動を与え他を恨む心や猜疑を捨てさせ、なお世に光を思わせる唯一の救いであるはいうまでもない。