후리가나로 읽는 일본 고전
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しんしょたいこうき
新書太閤記
吉川 英治
吉川 英治의 新書太閤記(しんしょたいこうき)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 180,256자 · 361화면
――まず第一に、お聞かせしたいのは、御主君信長様から名氏を名乗ることをゆるされました」
「ほ。なんと? ……」
「姓は以前の木下。名は藤吉郎と改めました」
「木下藤吉郎といやるか」
「そうです。よい名でしょう。もうしばらくは、この茅屋と襤褸の御辛抱をねがいますが、母上も、もっとお心を、確と大きく持ってください。――木下藤吉郎の母であるぞと」
「うれしい。こんなうれしいことはない」
母は、そればかり繰り返して、藤吉郎のいう一言ごとに、すぐ涙してしまうのだった。
(こんなにも、欣んでくれる人がある!)
藤吉郎は、それを大きな幸福に思った。世の中に誰あって、こんなに真実に、些細なことをも、大きく欣んでくれる者が、この母を措いてどこにあろうか。
三年、五年の漂泊も、その間の飢えや艱難も、むしろこの一瞬の幸福を大きくするために越えて来たもののようであった。
「時に、姉上は、どうしましたか。姉上の姿が見えませんが」
「おつみか。おつみは、よそへ刈入れの手伝いに行っている」
「丈夫ですか。元気ですか」
「変りはないが、あれものう……」
と、ふと母は等しい愛を、おつみの傷ましい青春へ思いやった。