후리가나로 읽는 일본 고전
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しんちょうき
新潮記
山本 周五郎
山本 周五郎의 新潮記(しんちょうき)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 155,541자 · 305화면
けれどもかの女自身にとってはその貼札の代償として生涯の生き方を決定されたのである。……名妓は男嫌いでなければならない、気位が高くなければならない、金ばなれのよいことは至上の条件である。適度の奇行、義理がたさ、食好み……なにもかも「かくかく有らねばならぬ」のであった。およねの梅八はそれをまもりとおしたのである。恋が無かった訳ではない。しかし芽も萠えぬうちに摘んで捨てた。自分のたつきの苦しいなかで人に貢いだ。竹亭寒笑などはその中のひとりで、殆んど梅八の庇護のもとに生きて来たようなものだったし、またかれのような存在は二人や三人ではない。
梅八は江戸文化の爛熟末期から衰退期にかけて、その文化がもっとも端的に集約される世界で生きてきた。現実を無視することを誇り、ものごとの正常さを蔑み、虚栄と衒気と詠嘆とを生命としてきた。はかなさ、脆さ、弱さ、そういうものにもっとも美を感じ、風流洒落のほかに生活はないと思ってきた。……そして、これらは自分から好んだものではなく、すべて環境の支配に従ったものだった。多くの妓たちの中には早く恋を得て尋常の道にはいった者もいる。むかしの仲間が背に子を負い、埃を浴びて現実のなかに生きる姿をみたとき梅八は「なんてみじめな」