일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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しんちょうき

新潮記

山本 周五郎

山本 周五郎의 新潮記(しんちょうき)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 155,541자 · 305화면

아오조라 문고

それはその客のなかに、自分とおなじ雰囲気があり、自分とおなじ時代の生活感情が感じられるからかも知れない。黙っているときでさえ、その心に去来する想いがどのようなものであるか、梅八には察しがついた。客がどんな身分で、どんな過去をあゆんで来た人か知らないが、ぜんたいからにじみ出る感じは自分とおなじ「時代に置き去られた」という寂しさである。新しい時勢の動きを前に、茫然とおのれをふりかえっている寂しい孤独感だった。

――この人には自分の気持がわかって貰える、口に出さずとも、そぶりに表わさなくとも、この人だけには自分の寂しさがわかって貰える筈だ。

梅八はそう信じ、さらに客もまた自分に対して、おなじ信じ方をしていると思った。「お支度ができました」女中が知らせて来たので、笛の客と梅八とは立ちあがった。

印のある提灯で桟橋まで送られた二人は、待っていた猪牙舟に乗って河岸をはなれた。季節からいえば、もう隅田川は涼み舟で賑わうじぶんなのに、雨催いといい、肌寒いほどの陽気なので、それらしい舟は一艘もみえず、河岸の家々の燈火も、どうかすると本当に秋のような思いをそそった。