후리가나로 읽는 일본 고전
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しんちょうき
新潮記
山本 周五郎
山本 周五郎의 新潮記(しんちょうき)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 155,541자 · 305화면
「和蘭陀だか英吉利斯だか知らないが、若旦那にからかわれたのを本気にしてまた知ったか振をひけらかすのだろう、よく天道様の罰が当らないものさ」
「なんとでも仰しゃいやし、これでまた重版重版、こっちは版料が貰えれば文句はありやせんだ」寒笑は包の中から罫紙と矢立を取出した、「……で、ひとつその字引というやつをどうか」
「いま出してあげるけれど、そこらへ店を弘げられちゃあ邪魔だね」
「なに幅は取りやせん、精ぜい縮まってやるからそっちの隅でも貸してお呉んなさい、ひとつ小机があれば有難えのだが」
「勝手な熱をあげるよ」
くち小言を云いながら、それでも梅八は立っていって小机を出し、大助の離室から和綴の「長崎ハルマ字書」を持って来てやった。
「へっへっへ」擽られるような、卑しい笑い声をあげながら、彼は机に向い字書を披いた、こんな男でも新しい知識に触れると幾らか気が昂るらしい、「さあ矢でも鉄炮でも持って来い、憚りながら唐音もじりなんぞとは種が違うんだ、こっちは和蘭陀語のくぜつといくんだから吃驚して馬鹿にでもなるなだ」
そして罫紙をひろげ筆を執った。
寒笑はその日、夜の十時頃までせっせと筆写して帰った。