후리가나로 읽는 일본 고전
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しんちょうき
新潮記
山本 周五郎
山本 周五郎의 新潮記(しんちょうき)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 155,541자 · 305화면
よほど緩くなっていたとはいうものの、まだ当時は武家でも婦人は関手形が必要だったのである。殊に江戸から出る場合は厳しかったが、高松藩は幕府の重職だったし、そういう用意は出来ているとみえ、継ぎ乗物の会符まで添えてあった。
「お武家育ちはこういうときにわかりますね」その夜、藤尾と寝床を並べた梅八は、いつまでも残り惜しそうに話をやめなかった、「御自分から、その使いはわたくしがと仰しゃった、あたりまえの御用ではないのに、そのうえこんなに世間が騒がしいときに、まだお若い嬢さまの身でわたくしがと仰しゃる、……お武家さまの生立ちは厳しいものと伺っていましたけれど、今日はじめてその証拠を見せて頂いたように思います」
あまり言葉つきが常と違うので、藤尾はそっとふり向いて見た。蚊帳越しにさす有明のほの暗い光りの下で、梅八はじっと天床を見まもりながら話している。その両眼はまるで苦悶を表白するように輝いてみえた。
「片方には御国のために、ご自分の命を捨ててはたらいている方々がいらっしゃる、此処でお集まりなさる柳さま大河さま方、若旦那もそうです、あたしはそういう方々を自分の眼で見ていながら……御国のためというのがどういうことか、ご自分の命を捨てるということがどういうものか、霧の向うにある物を見るような朧ろな気持でしか考えられませんでし