일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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ぎじんのすがた

日本の怪談

田中 貢太郎

田中 貢太郎의 日本の怪談(ぎじんのすがた)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 56,030자 · 115화면

아오조라 문고

と、女房が云った。

「そうだろう、またやったかな」

益之助は渋しぶと身体を起して縁側に出て雨戸を開けた。雨に滲んだうす暗い月の光は、また庭の中ほどに置いてある二十本ばかりの竹を見せた。益之助はまた笑いだした。

朝になって益之助は雨戸を繰りながら庭の方を見た。宵の竹は一本もなかった。竹の不思議はその夜にもまたあった。

四日目の晩が来た。二人はまた寝床へ入って竹の音のするのを心待ちに待っていたが、幾等待っていても何の音もしなかった。

「今晩は、やらないな」

益之助はこんなことを云っていたが何時の間にか眠ってしまった。女房もうとうとして夢とも現(うつつ)とも判らない状態にあった。何処かで女の声がした。

「もし、もし、……もし」

壮(わか)い女の呼吸(いき)づかいまで聞えるような気配がする。それは玄関前(さき)のようでもあれば表庭の方のようでもある。女房はふと夫に疑念を挟んだ。時どき夫が同役の処へ往くと云って出かけて往って、夜おそく酒に酔って帰ることもあれば、何か面白いことでもあったように浮うきした調子でものを云いながら入って来ることもあった。もしかすると他に女があって、時どき先方へ往ったり、また女の方からも此方へ来て己(じぶん)の寝入るのを待って、竊(ひそか)に庭あたりで媾曳(あいびき)しているかも判らないと思いだし