후리가나로 읽는 일본 고전
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にほんせいしんしけんきゅう
日本精神史研究
和辻 哲郎
和辻 哲郎의 日本精神史研究(にほんせいしんしけんきゅう)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 208,277자 · 415화면
さて右の二つの義理の対立は、政右衛門には何の苦悩をももたらさない。即座に彼は師を欺いて敵を討つことを決心する。が、ここにはさらにまれなる偶然が付加されている。師匠が関破りの詮議に出て行ったあとで、弟子は師の妻と語りつつ煙草を刻む、――その場に政右衛門の妻が、嬰児を抱きつつ雪の夜道に悩んで宿を求めて来るのである。この唐突な偶然は、作者の企画による以外に何らの必然性をも持たない。作者のいうところによれば、妻はこの嬰児を夫に見せたいがためにこの苦しい旅をするのである。そうして夫や弟が敵を尋ねる艱難を思えば、雪は愚か剣の上にも寝るのが女房の役というふうに考えているのである。しかし我々はこのような動機づけを是認することはできぬ。妻は「嬰児を夫に見せたい」という願望のために、産後約十日の身に期待さるべき一切の冬の旅の苦しさと夫の足手まといになる危険とを冒して夫のあとを追うのであるか、あるいは夫の艱難を思い敵討ちの成就を祈るために、足手まといとなる危険を恐れて、右の願望を犠牲にするか、――すなわち夫への愛を生命とする激情的な女であるか、あるいは情を抑えることを徳操とする賢い武士の妻であるか、いずれかであるはずであろう。