후리가나로 읽는 일본 고전
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わせだだいがく
早稲田大学
尾崎 士郎
尾崎 士郎의 早稲田大学(わせだだいがく)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 112,204자 · 220화면
星成が今夜になって出京を思いとまったということも何かしら解き切れないような底深いものをかんじさせたのであろう。――みんな、口に出して言いたい言葉を胸の奥へねじもどしたり、咽喉元でおさえつけたりしながら、心にもない冗談を言ったり無駄口を敲いたりしていた。
「妙なもんじゃのう、――此処から見ると、柳町の灯はやっぱりなまめかしか」。
「やめとけ、恒喜さんが里ごころを起すが」。
「こいつ、しっかりせんといかんぞ、――柳町の灯よりも、あれ見い、よか月じゃ」。
「ほんによか月じゃのう」。
「ああ月あり水ありか」。
「それみろ、やっぱ、――残るもんは柳町じゃろが」。
明日早暁、博多湾を解纜するという「順天丸」に艀が着くと、連中は来島を先頭にして一人一人、斜にかけられた梯子をのぼっていった。
甲板の上で月を眺めながら別れの盃をとりかわし、待たせてある艀でかえろうというのである。
甲板の上には左の頬に大きな火傷のある船長が出て来て一行を迎えてくれた。船は八百噸の貨物船であるが、十人くらいの旅客を収容するだけの余裕があった。船室というほどではなくとも、第一運賃が安いし、海に馴れた旅客にはかえってこの方がいいのである。