후리가나로 읽는 일본 고전
ja-reading.com
후리가나가 있는 일본 고전을 온라인으로 읽으세요. JLPT 수준으로 골라 보고, 단어를 눌러 뜻을 확인하고, 문장을 번역하세요.
わせだだいがく
早稲田大学
尾崎 士郎
尾崎 士郎의 早稲田大学(わせだだいがく)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 112,204자 · 220화면
外、明保野旅館(今の中央旅館)の門を入った。――八月二十二日の夕方である。銀座通は瓦斯灯に火が点いたばかりで、灯かげの中にぼうとうかびあがった女の顔がいきいきと輝いて見える。初秋のうすら冷たさは早くも柳の葉ずれから忍びよってくるのであった。
二階の部屋は濠を前にして、ゆるやかなうねりを見せて続いている三菱ヶ原には白い薄の穂が夕闇の中にうかび、ところどころに煉瓦づくりの外国商館の屋根が見えた。遠い灯が曇った空に映っている。
数年前のおもいでが恒喜の頭に滲むようにひろがってきた。去年からしきりに手紙を往復している勝海舟にも会いたかったし、下谷の墓地の裏で長いあいだ起居を共にした山岡鉄舟にも会いたかった。中江兆民は今でもあのじめじめした日当りのわるい露地のおくで鉈豆煙管を横ぐわえにしながら天下を罵倒しているのであろうか。――愛宕下の長屋から同志の牧岡吉清といっしょに野菜をつんだ荷車を曳いて芝口まで売りにきた頃の、なつかしい一日一日が閃くように彼の脳底をかすめる。
しかし、今のおれは過去の生活からも人間関係からも離脱した立場に立って行動しなければならぬ。