후리가나로 읽는 일본 고전
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わせだだいがく
早稲田大学
尾崎 士郎
尾崎 士郎의 早稲田大学(わせだだいがく)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 112,204자 · 220화면
て、次の日の朝、もう一度愛宕下の植木屋へもどり、そこからあまり遠くない書生下宿の信楽館へ弁護士試験に上京してきたという名目で寝泊りすることになった。彼の借りたのは北向きの四畳半で、壁には雨漏りのあとがしみついているし、煤けた障子をあけるとすぐ前が肥料を積んだ倉庫で、道路は深い泥溝に挟まれていた。もちろん朝から晩まで陽は当らなかったが、しかし、大抵のことに辛抱の出来る来島も、腹へ沁みとおるような泥溝の臭気だけには我慢ができなかった。胃弱の彼はどろんと濁った泥溝の臭いを嗅ぐと、むかむかと嘔気を催してくるのである。その部屋のすぐ真下が下宿の玄関にあたっているらしい。床の間の板敷が朽ちて大きな穴があいているので、顔をつきだすと出入りする人の姿が見えた。――九月も中旬を過ぎると雨の日が多くなり、食慾を減退させる泥溝の臭気は閉めきってある戸のすき間から沁みひろがってくるのである。
朝から頭痛を覚えたので、来島はうすい煎餅蒲団を頭からすっぽりとかぶったままで眠ってしまった。眼がさめてみるともう夕方で、屋根のトタン庇をはじくように雨の音が聞えた。暗い部屋の中には、床の間の板の壊れた穴の部分だけがぼうっとあかるくなっている。