후리가나로 읽는 일본 고전
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わせだだいがく
早稲田大学
尾崎 士郎
尾崎 士郎의 早稲田大学(わせだだいがく)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 112,204자 · 220화면
加藤は、クロース表紙の破れた小型の本をとりあげると、しきりに頁を繰っていたが、ううんと、軽くひとりでうなずきながら一気にペンを走らせた。小型の本は唱歌の教科書で、加藤は「革新団」の団歌をつくろうとしているのである。やがて、彼が重そうに腰をあげた。
「さア、出来たよ、節はアムール河だ、いいかい、――僕が先ず歌ってみるから」。
彼は人差し指を前につきだし、自分で拍子をとりながらうたいだした。
「森かげくらく月落ちぬ
ひとよ眠りの夢さませ
正義のつるぎ腰に佩き
破邪顕正の道行かん」
学生時代、仙台にいた頃土井晩翠の薫陶をうけたという彼は自分のつくった新体詩に、すっかり満足しきっている調子で、四節にわかれている唱歌をうたい終ると、
「こいつを千枚、いや、――千枚じゃ足りんな、一万枚ばかり印刷するか、おい君」。
彼は階段の上り口に立っていた文科の学生を手招いた。
「日清印刷ね、知っとるだろう、あそこの事務所に黒泉という人がいるからね、僕の名刺を持っていって、すぐ印刷してくれるように頼んでくれたまえ」。
その日の新聞を読んで、何の気なしにふらふらとやってきた彼は加藤が何ものであるか知らなかったし、自分の名前を聴こうともしないで威圧的な命令を下す横柄な男に対してかすかな反感をおぼえたらしい様子だったが、しかし加藤の手から名刺