후리가나로 읽는 일본 고전
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はる
春
岡本 かの子
岡本 かの子의 春(はる)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 23,864자 · 48화면
そして畳の上でそれを履き、今度は思い切って窓の閾へ下駄の歯を当てると、体の重味に反比例した軽い反動で訳もなく表庭の芝笹の上へ降り立った。
京子は月光を浴びると乱れた髪の毛が銀髪に変色し忽ち奇怪な老婆のように変形した。京子はその奇怪な無表情の顔を前へ突き出し、両手を延して探ろうとしたが、先刻の影像らしい黒い靄のたたずまいが、以前の位置からすっと動いて表の潜戸の方へ消えて行った。京子は走って潜戸まで行く。幻影はまた逃げる。潜戸を出て左へ走り、鉤の手に右に曲った。京子は口惜しさに立ち止まった。自分を迎えに来て呉れたと思った男が、誰に気兼ねの要らない真夜中に何故あちらこちらへ遁げ歩くのか。それとも男に別な考えがあるのか。京子はもう猶予して居られなかった。勢いを倍加して一散に当所もなく走り出した。
真夜中、半死人のようにぐったりと疲れた京子が、中年の巡査に抱えられて戻って来た。加奈子は驚き呆れるお民を叱るようになだめて、京子を床に入れた。そして足がひどく冷えているので小さな湯たんぽを入れて温めると、京子は何も言わずに眼をつむって居た。巡査の言うところでは、この真夜中裾も髪も振り乱して、電車通りまで何者かを追って走って行った京子が、巡回の巡査に捕えられたのだ。