후리가나로 읽는 일본 고전
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りりょう
李陵・山月記・弟子・名人伝
中島 敦의 李陵・山月記・弟子・名人伝(りりょう)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 65,013자 · 129화면
六
を探していたのだということが、悟浄に解りかけてきた。自分は、そんな世界の意味を云々するほどたいした生きものでないことを、渠は、卑下感をもってでなく、安らかな満足感をもって感じるようになった。そして、そんな生意気をいう前に、とにかく、自分でもまだ知らないでいるに違いない自己を試み展開してみようという勇気が出てきた。躊躇する前に試みよう。結果の成否は考えずに、ただ、試みるために全力を挙げて試みよう。決定的な失敗に帰したっていいのだ。今までいつも、失敗への危惧から努力を抛棄していた渠が、骨折り損を厭わないところにまで昇華されてきたのである。
六
悟浄の肉体はもはや疲れ切っていた。
ある日、渠は、とある道ばたにぶっ倒れ、そのまま深い睡りに落ちてしまった。まったく、何もかも忘れ果てた昏睡であった。渠は昏々として幾日か睡り続けた。空腹も忘れ、夢も見なかった。
ふと、眼を覚ましたとき、何か四辺が、青白く明るいことに気がついた。夜であった。明るい月夜であった。大きな円い春の満月が水の上から射し込んできて、浅い川底を穏やかな白い明るさで満たしているのである。悟浄は、熟睡のあとのさっぱりした気持で起上がった。