후리가나로 읽는 일본 고전
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りりょう
李陵・山月記・弟子・名人伝
中島 敦의 李陵・山月記・弟子・名人伝(りりょう)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 65,013자 · 129화면
薄暗い蚕室の中で――腐刑施術後当分の間は風に当たることを避けねばならぬので、中に火を熾して暖かに保った・密閉した暗室を作り、そこに施術後の受刑者を数日の間入れて、身体を養わせる。暖かく暗いところが蚕を飼う部屋に似ているとて、それを蚕室と名づけるのである。――言語を絶した混乱のあまり彼は茫然と壁によりかかった。憤激よりも先に、驚きのようなものさえ感じていた。斬に遭うこと、死を賜うことに対してなら、彼にはもとより平生から覚悟ができている。刑死する己の姿なら想像してみることもできるし、武帝の気に逆らって李陵を褒め上げたときもまかりまちがえば死を賜うようなことになるかもしれぬくらいの懸念は自分にもあったのである。ところが、刑罰も数ある中で、よりによって最も醜陋な宮刑にあおうとは! 迂闊といえば迂闊だが、(というのは、死刑を予期するくらいなら当然、他のあらゆる刑罰も予期しなければならないわけだから)彼は自分の運命の中に、不測の死が待受けているかもしれぬとは考えていたけれども、このような醜いものが突然現われようとは、全然、頭から考えもしなかったのである。常々、彼は、人間にはそれぞれその人間にふさわしい事件しか起こらないのだという一種の確信のようなものを有っていた。