후리가나로 읽는 일본 고전
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りりょう
李陵・山月記・弟子・名人伝
中島 敦의 李陵・山月記・弟子・名人伝(りりょう)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 65,013자 · 129화면
武が遙か北方に遷されていて顔を合わせずに済むことをむしろ助かったと感じていた。ことに、己の家族が戮せられてふたたび漢に戻る気持を失ってからは、いっそうこの「漢節を持した牧羊者」との面接を避けたかった。
狐鹿姑単于が父の後を嗣いでから数年後、一時蘇武が生死不明との噂が伝わった。父単于がついに降服させることのできなかったこの不屈の漢使の存在を思出した狐鹿姑単于は、蘇武の安否を確かめるとともに、もし健在ならば今一度降服を勧告するよう、李陵に頼んだ。陵が武の友人であることを聞いていたのである。やむを得ず陵は北へ向かった。
姑且水を北に溯り居水との合流点からさらに西北に森林地帯を突切る。まだ所々に雪の残っている川岸を進むこと数日、ようやく北海の碧い水が森と野との向こうに見え出したころ、この地方の住民なる丁霊族の案内人は李陵の一行を一軒の哀れな丸太小舎へと導いた。小舎の住人が珍しい人声に驚かされて、弓矢を手に表へ出て来た、頭から毛皮を被った鬚ぼうぼうの熊のような山男の顔の中に、李陵がかつての移中厩監蘇子卿の俤を見出してからも、先方がこの胡服の大官を前の騎都尉李少卿と認めるまでにはなおしばらくの時間が必要であった。