후리가나로 읽는 일본 고전
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やなぎばしものがたり
柳橋物語
山本 周五郎
山本 周五郎의 柳橋物語(やなぎばしものがたり)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 104,300자 · 202화면
――おもんの来なくなった代りのように、松造が六七日おいては泊りに来た。自分の畑のものばかりでなく、問屋から頼まれて定期的に荷を入れることになったのだという。そしておせんにも必ず幾いろかの野菜と、米や麦などを持って来るのだった。相変らずぶすっとして、あまり口もきかず莨ばかりふかしている、ときに幸太郎を抱いたりしても、なにやらぶきようで自分で当惑するという風であった。……おせんはすなおにその親切を受けた、口にだしては礼もよく云わなかったが、彼のほうでも遠慮のない調子で着て来た物の縫いつくろいを頼んだり、喰べ物の好みなども云うようになった。近所の口がうるさくなったのは当然であろう、おもんでさえ「旦那か」などと云ったくらいで、なにも知らぬ者からみればあたりまえの関係でないと思うのが自然である。しかし、おせんはもうびくともしなかった、お地蔵さまの前で受けたような辱しめのあとでは、そんな蔭口や誹謗くらいなんでもないことだ。それで気が済むのなら云いたいだけ云うがいい、そういった幾らか昂然とした気持で、どの家の前をも臆せずに通った。
花も見ずに三月も過ぎ、四月、五月と日が経っていった。