후리가나로 읽는 일본 고전
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やなぎばしものがたり
柳橋物語
山本 周五郎
山本 周五郎의 柳橋物語(やなぎばしものがたり)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 104,300자 · 202화면
おせんもその二三種を買い、仮名を拾いながら読んでみたが、どれもこれも公儀を憚って時代や人名を変えてあるし、まるっきり作りごとのようで、心をうつものは無かった。……こうして夏になった、六月はじめの或る日、お針の稽古を終って帰って来ると、源六が昼食のしたくをして待っていた。
「さっき状がまわって来て、きょう茶屋町の伊賀屋でなかまの寄合があるというんだ、飯をたべたらちょっといって来るからな」
「帰りはおそくなるんですか」
「ながくったって昏れるまでには帰れるだろう、台所に泥鰌が買ってあるから、晩飯にはあれで味噌汁を拵えておいて呉んな」
「あら泥鰌があったんですか、それじゃあお酒も買っておきましょうね」
「酒は寄合で出るだろうが」
「でも初ものだから無くっては淋しいでしょう」
話しながら食事を終ると、源六は着替えをして出ていった。久しぶりで店があいたので、おせんは一刻もかかって掃除をし、床板の隅ずみまで丹念に拭きあげた。それから酒を買って来て、火をおこし、笹がき牛蒡を作って泥鰌を鍋に入れ、酒で酔わせて、味噌汁にしかけてから、坐って縫物をとりひろげた。……昼のうちは風があって凌ぎよかったが、日の傾きだす頃からぱったりと風がおち、昏れかかると共にひどく蒸しはじめた。