후리가나로 읽는 일본 고전
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さくらのみのじゅくするとき
桜の実の熟する時
島崎 藤村
島崎 藤村의 桜の実の熟する時(さくらのみのじゅくするとき)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 111,569자 · 222화면
「岸本君、君は覚えているか……僕等が初めて口を利いたのもこの上り段のところだぜ」
「そうそう」と捨吉も思出した。「ホラ、演説会のあった時だっただろう」
「僕の演説を君が褒めてくれたあね……あの時、君は初めて僕に口を利いた……」
「随分僕も黙っていたからね……」
二人が友情の結ばれ始めた日――捨吉は菅と共にしばらく廊下の欄に倚凭りながら、その日のことを思って見た。チャペルの扉の間からその広間の内部の方に幾つも並んだ長い腰掛が見えた。緩い螺旋状を成した階段を登って来る信徒等はいずれも改まった顔付で捨吉等の前をチャペルの方へと通り過ぎた。
日本にある基督教界の最高の知識を殆んど網羅した夏期学校の講演も佳境に入って来た。午前と午後とに幾人かの講師に接し、幾回かの講演を聴いた人達はチャペルを出て休憩する時であった。
「菅君、ここに居ようじゃないか」
と捨吉は友達を誘って二階の廊下の壁の側に立った。チャペルの扉の外から階段の降り口へかけて休憩する人達が集っていた。折れ曲った廊下の一方は幾つかの扉の閉った教室に続いている。その突当りに捨吉達が夏まで授業を受けた三年級の室がある。