후리가나로 읽는 일본 고전
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もみノきはのこった
樅ノ木は残った
山本 周五郎
山本 周五郎의 樅ノ木は残った(もみノきはのこった)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 145,078자 · 285화면
甲斐はそう云いかけて、いかにもにがにがしげに顔をしかめた。そういうことを口にするのが、自分で恥ずかしく不愉快なのであろう、顔をしかめながら、いやな物でも吐き出すような調子で続けた、「――意地や面目を立てとおすことはいさましい、人の眼にも壮烈にみえるだろう、しかし、侍の本分というものは堪忍や辛抱の中にある、生きられる限り生きて御奉公をすることだ、これは侍に限らない、およそ人間の生きかたとはそういうものだ、いつの世でも、しんじつ国家を支え護立てているのは、こういう堪忍や辛抱、――人の眼につかず名もあらわれないところに働いている力なのだ」
甲斐は舎人を見た。舎人は両手を膝に突いて、深く頭を垂れていた。
「いまわれわれの当面している問題は」と甲斐はまた云った、「――つきつめた一念や、壮烈な行動などで解決できるものではない、舎人、――おまえは無実の罪を衣、追放になったことで役目をはたした、それで充分だ、明日ここから江戸へゆけ、そして自分の身を立てるくふうをするがいい、わかったか」
「わかりました」舎人は頭を垂れたまま答えた、「こなたさまの御苦心をよそに、はなれてまいるのは辛うございます、まことに辛うございますが」