일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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もみノきはのこった

樅ノ木は残った

山本 周五郎

山本 周五郎의 樅ノ木は残った(もみノきはのこった)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 145,078자 · 285화면

아오조라 문고

雅楽頭は歩いていって、元の席に坐り、文台の上の鈴を取って鳴らした。そして、懐紙を出してぐいぐいと顔を拭き、それを繰り返したあと、もういちど鈴を鳴らした。

午前八時。伊達安芸の駕籠は八代洲河岸に着いた。安芸は陪臣であるが、老年と病弱を名目に、江戸へ着くとすぐ「市中乗物の許し」を得ていた。八代洲河岸の伊達遠江守邸に着くと、小関善左衛門という聞番の者が接待に出て、原田甲斐が来ていると告げた。柴田外記と古内志摩はまだみえないそうで、小関は世評どおり「安芸と甲斐が不和」であると信じたのだろう、べつの座敷へ案内した。安芸はいちど坐ってから、小関に向かって甲斐を呼んでくれるように、と頼んだ。小関は迷って、いま老職が挨拶に出るからと云い、立ってゆこうとするので、安芸はそのまえにぜひ会いたい、と強い調子で繰り返した。

ちょうど同じころ、酒井邸では、――雅楽頭の常居の間で、河内守忠挙と、家老の関主税と高須隼人、松平内記ら四人が、雅楽頭の話しを聞いていた。忠挙は雅楽頭忠清の嫡男で、寛文五年に従四位下、去年から侍従を兼ねており、父よりも背丈が高く、眉間に癇の強そうな皺が刻まれていた。