후리가나로 읽는 일본 고전
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もみノきはのこった
樅ノ木は残った
山本 周五郎
山本 周五郎의 樅ノ木は残った(もみノきはのこった)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 145,078자 · 285화면
甲斐は自分の席で、そっと眼をつむった。
「特に、大老酒井侯にはかかわりの深い品であるが」と安芸は続けた、「老中諸侯において御披見が願いたいと云った、こんど大書院へ呼ばれたら、そのことを忘れないように」
「しかし、――」と外記が問い返した、「それはいかなる物でございますか、その品を知らずに返答は致しかねると思いますが」
「その話しはあとだ」と安芸が云った、「返答はおれの言葉どおりでいい」
外記は黙った。
甲斐は少し仰向いて、眼をつむったままで、片手でふところを押えた。これを見せればわかるだろう、だがいまはそのときではあるまい、と思った。
そのとき五人の侍がはいって来た。その表て座敷から一と間おいた使者の間に、蜂谷六左衛門がいて、その五人の通るのを認め、ものものしい身支度をしているのにおどろいて、思わず立ちあがった。五人は静かに表て座敷へはいったが、はいるとたんに、みんな抜刀し、安芸、甲斐、外記を斬った。
甲斐は眼をつむっていて、突然、肩を一刀斬られ、横に倒れながら「あ」といった。斬られたとはわからなかった。棒で殴られたように感じ、倒れながら見ると、ぎらっと白刃が光った。