일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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もみノきはのこった

樅ノ木は残った

山本 周五郎

山本 周五郎의 樅ノ木は残った(もみノきはのこった)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 145,078자 · 285화면

아오조라 문고

――事情はよく承知しているが、それではあまりひどい。

惣左衛門は珍らしく、強い調子で甲斐を説いた。重縁の親族というだけではない、亡き佐月さまから、周防さまへと、誰よりも親しく、心の底から信じあって来られた。ほかのことではなく、その唯一の友である周防さまが、いま死のうとしているのである。一ノ関の疑惑を避けるためなら、言葉を交わさなくともよい、この世のなごりにただひと眼、互いに顔を見るくらいのことはできる筈だ。

――それさえもなさらないというのは、侍として立派かもしれないが、人間としてはあまりにも無情すぎる。

ぜひとも会いにいってあげてくれ、このとおりお願い申します、こう云って、惣左衛門は平伏し、嗚咽した。

甲斐は惣左衛門を慰めた。そう思い詰めるな、周防にはわかっている。臨終のいっときに会う会わないは、二人にとって問題ではない。すでに別れの言葉は交わしてあるし、周防自身が、もう来てくれるな、と云ったのである。周防は、うまく死ねるかどうか、ということを心配していた。

――死は怖ろしいものだ。

人間は誰しも死を怖れる。死そのものを怖れない人間でも、臨終の一瞬は怖ろしい。