일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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もみノきはのこった

樅ノ木は残った

山本 周五郎

山本 周五郎의 樅ノ木は残った(もみノきはのこった)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 145,078자 · 285화면

아오조라 문고

――しかし津多女は二人の嫁にも心をひらかないし、曽孫たちも殆んど近よせない。采女は男の子だからであろう、見かけると隠居所へ呼んで、僅かなあいだ遊んでやったり、ときに菓子を与えたりはするが、自分で抱くようなことはないし、すぐに帰らせてしまう、というふうであった。

――おじさまも同じようだ。

宇乃は心の中でそう呟いた。

六月下旬に江戸から帰った甲斐は、五日ばかりこの館に泊っただけで、すぐに仙台の屋敷へ去った。館にいるあいだいちど、母の慶月院と一刻以上も話したことがある。二人だけの対談で、どんな話しが交わされたかわからないが、長い江戸番から帰館したというのに、孫たちも抱かず、妻と寝屋をともにするでもなく、淡々と仙台へ去ってしまった。

宇乃は隠居所の世話をしているので、誰よりも津多女にはちかしい。そうして、自分は彼女に愛されているとさえ思うのだが、その宇乃でさえ、ふとすると身のちぢむようなおもいをすることが稀ではなかった。いまでも忘れられないのは、薙刀の稽古のことである。宇乃の十六の年であったが、それまで一年あまり、津多女から薙力の稽古をつけられていた。