일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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ぶしゅうこうひわ

武州公秘話

谷崎 潤一郎

谷崎 潤一郎의 武州公秘話(ぶしゅうこうひわ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 107,572자 · 209화면

아오조라 문고

、彼女の住んでいる御殿の甍、壁の色なりとも眼に入れたかったのである。で、首尾よくその役にありついた河内介は、そのゝち毎夜奥御殿の外囲いを徘徊しながら見張りの配置を監督する一方に、奥の間に於ける不思議な夫婦の対照を思いやっては、例の妄想に耽ったのであった。そして晝間でも御殿の下の日当りのよい石崖に倚りかゝって、晴れた秋の空を見上げながら独りぼんやりと幻を趁いかけたりした。戦場に出ては無双の勇士である彼も、そう云う折には定めし一箇の詩人になっていたであろう。何しろそのあたりは城の内でも一番奥まった、一番閑静な区域であって、やるせない恋情を胸に秘めている青年が、自らの空想を話相手として無聊の時を過すのには甚だ恰好の場所なのである。前にも述べたことがあるように、此の筑摩家の居城は牡鹿山の天嶮を利用した山城で、城と云っても後の安土城の如く西洋の築城術を加味したものでなく、建築は純中世式のものであり、内部の区割も地形に制せられて、規模の大きい割りに至って不規則であったから、構えの中に森や谷があったりして、小川なども流れていた。そして奥御殿のある所は独立した一つの丘になっていて、そこから瓢箪形にもう一つの大きい丘がつゞき、その方に表御殿が建っていた。