후리가나로 읽는 일본 고전
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ぶしゅうこうひわ
武州公秘話
谷崎 潤一郎
谷崎 潤一郎의 武州公秘話(ぶしゅうこうひわ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 107,572자 · 209화면
男を斬ってお捨てになりました。此処に持って居りまするお形見の品は、その節その男の懐に這入っていたのでござります」
今は僅かに一二尺の距離を隔てゝ差し向いになっている河内介は、話しているうちに夫人の長い睫毛の先に幾粒かの露の玉が結ばれて、それがはら/\と蝋のような頬を伝わって来るのを見た。その傷ましくも美しい人の有様を前にしつゝ、次第に彼は智慮と弁舌とを十分に働かせる落ち着きを取り返していた。彼は二三日前から肝胆を砕いて、夫人を納得させるような拵え事の筋書を考えぬいておいたのであったが、自分でも感心するほど、まことしやかに説明の順序を追った。
「―――わたくし、ほんのその場の廻り合わせから立ち聴き致しましたものゝ、子供心にも殿の密計を武士にあるまじきなされ方と存じまして、憤りを感じましたが、お手討ちに遇いました忍びの男には却って不便を催しましたので、たしかその明くる日のことでござりました。彼の屍骸が御本丸の裏山の谷に捨てゝありましたのを、そっと見届けに参ったのでござります。そして多くの屍骸の中からよう/\それらしいものを捜し出しまして、なんぞ證拠を持っていないかと懐を探りましたら、思いもかけず此のお形見が手に入りました。