후리가나로 읽는 일본 고전
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ぶしゅうこうひわ
武州公秘話
谷崎 潤一郎
谷崎 潤一郎의 武州公秘話(ぶしゅうこうひわ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 107,572자 · 209화면
て則重を兎唇にし、ついで彼の片耳を殺ぎ去った者は誰であったろうか? 「道阿弥話」と「見し夜の夢」には、図書の弟に今一人「的場大助」と云う者があって、それが兄の志を継いだことが記されている。大助は母楓の計らいで、塹壕を掘ることを専門にする金掘りを連れて、長持の中に潜んで奥御殿へ運び入れられたと云う。が、此の金掘りと大助の行くえは明かでない。金掘りの方は、河内介が偶然見つけ出したあの坑道を掘り終えたあとで、多分縦坑の底深く斬って捨てられ、やんごとない夫人の排泄物と共に永久に土に吸い込まれたのであろうけれども、大助は果して何処へ消えてしまったのか? 花見の宴の事件以来警戒の眼が光っている中を、再び長持に隠れて誰にも訝しまれずに城外へ逃れ去ることは、到底不可能であったに違いない。それどころか、彼は第一の事件から第二の事件に至るあいだ、―――則重の唇を裂いてから更にその耳を奪うことに成功した約四箇月に亙る期間、―――特に縦坑の上部に掘らせてあった窟のような凹みの中に体を屈めて這入ったきり、とき/″\夫人や母などが与えてくれる握り飯に露命をつないで、一歩も外界へ蹈み出さないようにしていたと云われる。