후리가나로 읽는 일본 고전
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ぶしゅうこうひわ
武州公秘話
谷崎 潤一郎
谷崎 潤一郎의 武州公秘話(ぶしゅうこうひわ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 107,572자 · 209화면
織部正はだん/\気が遠くなりながらも、甚だ奇怪千萬に感じた。此れは自分を愚弄しているに違いないと思って、
「無礼者! 何をするのら!」
と、無理にも叫んだつもりであったが、その刹那にゴリと云う音がして、自分の鼻が顔から離れて行くのを、はっきりと意識した。なぜなら、その時曲者はわざと少しばかり頸をゆるめて呼吸を楽にしてやりながら、いやにゆっくりと、外科医がメスで贅肉を殺ぎ取るように、全く鼻らしいものゝ痕跡も止めぬまでに、綺麗に根元から切り落したからである。
図
織部正がやがて正気に復った時は、ちょうど手術の後で麻酔から醒めたような風であった。彼は鼻を切られたことまでは確かに知っているけれども、それからどうなったのか何も記憶がないのである。多分曲者は「手術」を施してから彼に当て身を喰らわしたか、或はもう一度強く頭を絞めたのであろう。彼はそれきり人事不省に陥って、気が付いてみたら既に夫人の閨に運ばれ、床の上に臥かされていた。腰元のお春も彼より先に倒されていたので、その後に起った珍事件については何も知らない。彼女が息を吹き返してからの話に依ると、あの廊下で立ち止まって殿様の方へ明りを差し出した時、急に右腕が痺れて来たので、覚えず雪洞を落してしまった。