후리가나로 읽는 일본 고전
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ぶしゅうこうひわ
武州公秘話
谷崎 潤一郎
谷崎 潤一郎의 武州公秘話(ぶしゅうこうひわ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 107,572자 · 209화면
「今夜は一つ、此の首を眺めながら寝ることにしよう」
と、俄かに自分たちの寝床をその部屋へ運ばせ、夫婦で道阿弥の赤鼻を賞翫しながら眠りについた。
これは道阿弥に取って、前の晩にも勝る苦行であった。前の晩は宵の間の辛抱で、夜が更けてからは自由の体になれたのに、その晩は穴から首を出したまゝ夜中床下に立ちつくした訳なのである。彼の手記に依って想像すると、その部屋は相当の廣間であったらしく、彼が首を出していた穴は略座敷の中央にあったように思われる。河内介は、松雪院の寝床をその穴のある所、即ち道阿弥の首の位置から畳三四畳を隔てゝ敷かせ、それから又一畳ばかり離れたあたりに自分の床を敷かせた。夏のことであるから、此の大名の若夫婦の寝床の上には、それにふさわしいうすものゝ蚊帳が吊ってあった。そして道阿弥の首の両側に燈火が置かれ、そのうしろに屏風が囲ってあったので、蚊帳の中からは首のある場所が明るくはっきり見えたけれども、道阿弥の方からは、暗い所にふわ/\している蚊帳の外側がぼんやり分ったくらいな程度で、中にいる夫婦の様子などはまるきり見えなかったであろう。
しかし道阿弥の受難はこれだけではなかった。