후리가나로 읽는 일본 고전
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ぶしゅうこうひわ
武州公秘話
谷崎 潤一郎
谷崎 潤一郎의 武州公秘話(ぶしゅうこうひわ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 107,572자 · 209화면
則重がおめ/\捕われの身となって生き耻を曝しながら、敵の城中に憂き年月を送っていた心事については、あまり腑甲斐なく思われるけれども、何分にも日夜監視が厳重な上に自殺の手段を奪われてしまっていたので、腹を切るにも機会がなく、それに又、死顔を人に見られないようにする方法がないので、是非なくも尚数年の間餘生を貪ぼっていたのであった。が、不幸な則重の生涯を通じて、此の三の谷の御殿で暮らした晩年の月日が、家庭的には最も恵まれていたかも知れない。なぜかと云うのに、彼はもう柄にない政治や軍務に頭を使う必要がなくなり、敵の情深い手当てを受けて衣食住には少しも不自由をしなかったし、殊に、牡鹿山落城の間際に落してやった一男一女のうち、若君の方は捜し出されて人知れず殺されたらしいのであるが、「お浦どの」と云われた姫君の方は、やがて此の御殿へ引き取られて来たので、親子三人が佗びしいながらも慰め合って、しずかな団居を楽しむことが出来たからである。いや、そればかりでなく、牡鹿山の落城を一転期として、桔梗の方の心境にも亦自ら変化が起った。彼女は最早や夫の破滅を享楽する残忍性を捨てゝしまって、其の本然の女らしい性質に復り、嘗て自分が害を加えた醜い夫の容貌に心からなる同情と憐愍とを注ぎながら、貞淑な妻として、また慈愛深き母として、前半生