후리가나로 읽는 일본 고전
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ぶしゅうこうひわ
武州公秘話
谷崎 潤一郎
谷崎 潤一郎의 武州公秘話(ぶしゅうこうひわ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 107,572자 · 209화면
―――ゆうべの彼を最も強く魅惑したのは此の女であったが、思うにそれは、彼女が今や十分に肉体の発育しきった年齢にあったことがその原因の一つに相違ない。なぜかと云うのに、此の室内を領しているものは夥しい首、「死」の累積なのである。そう云う中にあってその娘の持つ若さと水々しさとは一層引き立って見えたであろう。たとえば彼女の紅味のさした豊かな頬は、青白い首の血色と対照される時に、その本来の紅さよりも以上に生き/\としたものに思えたであろう。それから又、彼女の受け持ちが首の髪の毛を解いたり結んだりする仕事であるために、その髪の油に滲みた指が、毛の黒さと比較されて実際よりも白くなまめかしく映じたであろう。そして法師丸は、今夜も亦彼女の眼元と口元に浮かぶ不思議な微笑を見たのであった。左の端にいる女から、きれいに血の痕をぬぐい取った一つの首が廻って来ると、此の女はそれを受け取って、先ず鋏で髻の元結を剪り、ついで愛撫する如く髪を丹念に梳って、或る場合には油を塗ってやり、或る場合には月代を剃ってやり、或る場合には経机から香炉を取って煙の上に髪の毛を翳してやり、それから右の手に新しい元結を持ち、その一方の端を口に咬え、左手で髪を束ね上げて、恰も女髪結がするように髻を結んでやるのである。