후리가나로 읽는 일본 고전
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ぶしゅうこうひわ
武州公秘話
谷崎 潤一郎
谷崎 潤一郎의 武州公秘話(ぶしゅうこうひわ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 107,572자 · 209화면
彼の用いた脇差は、父の輝国から貰った兼光の業物であったが、武器よりも手練の方が見事だった。一と突きで正確に急所に達し、すぐその刀を引き抜いてから、殆ど返り血を浴びないくらいに素早く立ち上っていた。綺麗な、敏捷な、自分でも豫期しなかった程の働きであった。相手は声を上げる暇もなかったので、法師丸が見たものは、狼狽した瞳と、何事かを叫ぼうとして開きかけた口と、―――そして一瞬の後に、それらが苦痛に歪められたまゝ凍りついている死顔とであった。しかし此の時法師丸はうしろに迫りつゝある白刃のけはいを察した。次の間に寝ていた二少年が抜き連れて斬り込んで来たのである。が、今の早業で自信を倍加した彼は、身をかわしながら床の間に駈け上ると、八幡大菩薩の軸を背中にして構えた。此の位置が彼を有利に導いたと云うのは、床の間の前の空地の半分が死骸だの厨子だの枕元の調度類などに占められていたので、向って来る敵を自然と一方へ片寄せてしまったのである。小姓共の方は、咄嗟に主人の殺されたのを見、而も殺した人間が自分たちと餘り違わない小童であることを知って、明かに度を失っていた。彼等には、床の間に躍り上って、腕に覚えのある者でなければ容易に示すことの出来ない落ち着きを以てしずかに敵を待ちかまえつゝある法師丸の姿が、忽然と地から湧いて出た魔物