후리가나로 읽는 일본 고전
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ぶしゅうこうひわ
武州公秘話
谷崎 潤一郎
谷崎 潤一郎의 武州公秘話(ぶしゅうこうひわ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 107,572자 · 209화면
そしてその肉片がポロリと床へ落ちたのを反射的に拾い上げながら、一方の遣戸を押し開いて逃げた。
凡そ英雄豪傑の伝記を読むと、何となく天がその人の運命に特別な冥護を垂れ、彼はそのお蔭で、しば/\常人の企て及ばざる危地を蹈みながら無事に虎口を脱出するかの如くに見える。たとえば法師丸の此の場合などもその一例で、彼が行きがけの駄賃に屍骸の鼻を斬ったのは、口惜し紛れの腹癒せであったか、せめて目的の一端を果たす気であったか、或は、大胆な少年もさすがにその時は狼狽した結果であったか、そこのところはよく分らないけれども、兎に角彼がその鼻を持って逃げなかったら、或は捕えられていたかも知れない。と云う訳は、これは全くの臆測であるけれども、多分寝所へ駈け付けて来た武士共は、主人の顔に大切な物がなくなっていることを発見すると、一手は曲者を追いかけたに違いないが、まさか其奴が持って逃げたとは思わないから、瑕我で斬られたものと早合点して、一手は暫く部屋の中をうろ/\しながら、主人の顔の断片を捜し廻ったであろうと考えられるのである。で、最初に少年を追って出た者は二三人に過ぎなかった。