일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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ぶしゅうこうひわ

武州公秘話

谷崎 潤一郎

谷崎 潤一郎의 武州公秘話(ぶしゅうこうひわ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 107,572자 · 209화면

아오조라 문고

織部正則重は居城牡鹿山の奥御殿の庭で花見の宴を催し、折柄満開の桜の木かげに幔幕を繞らし毛氈を敷いて、夫人や腰元どもと酒を酌みながら和歌管絃の興に耽っていた。宴は朝から始まって、ゆうがた、空におぼろ月のかゝる頃までつゞいたが、莚の上にところ/″\燈火が運び込まれた時分、いたく酔った則重は座頭に鼓を打たせて自ら謡いながら曲舞いを舞った。それが終りに近づいて、

花の錦の下紐は

とけてなか/\よしなや

柳の絲の乱れごゝろ

いつ忘りよぞ

寝乱れ髪の面影

と、舞い収めようとした時であった。不意に何処からか矢が飛んで来て、則重の顔を横さまにかすり、危く彼の大事な鼻を桜の花と一緒に散らすかと見えたが、鼻より少し下の方へ来、上唇の突端を傷けて過ぎた。

「曲者!」

則重は六七間向うの桜の枝から黒い影が飛び降りて逃げ出したのを、確かに見たような気がしたので、血のしたゝる口を押さえて直ぐ大声に叫んだけれども、―――いや、叫ぼうとしたけれども、―――どう云う訳か発音が乱れて思うように言葉が使えないので、ひどく慌てた。で、もう一遍、

「それ! 彼方へ逃げた!」

と怒鳴ってみたが、矢張おかしな、赤ん坊が物を云うような、ろれつの廻らない無意味な音が出た。