후리가나로 읽는 일본 고전
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かごつるべ
江戸情話集
岡本 綺堂
岡本 綺堂의 江戸情話集(かごつるべ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 203,779자 · 407화면
なにしろこちらへと慌てて招じ入れると、外記は更にうしろを見返って無言で招いた。
今まで見いださなかったが、暗い雨の中にはまだ一人の蓑と笠とが忍んでいた。ぬれた蓑の袖からは溶けるような紅の色がこぼれ出していた。
「お前さまもどうぞこちらへ」と、誰だか知らないがお時は取りあえず会釈した。十吉は急いで盥の水を持って来た。二人は蓑をぬいで足を洗った。
外記は浅黄色の単衣の裾を高くからげて、大小を落し差しにしていた。女は緋の長襦袢の上に黒ずんだ縮緬を端折って、水色の細紐を結んでいた。顔を包むためか、白い手拭を吹き流しにかぶって手に笠を持っていた。二人とも素足であった。女の白い脛に紅い襦袢がぬれてねばり着いているのは媚かしいというよりも痛々しかった。
この雨の夜に殿様と連れ立って来た美しい女が誰であるかは、お時にもたいてい想像されたので、彼女は十吉に眼くばせして雨戸をぴったり閉めさせた。男はすぐに炉のそばへ寄って来て、ぬれた袂を乾かした。女は手拭をとって、鬢のしずくが玉と散るのを払ったりしていた。
「殿様。いらっしゃりませ」
母子がうやうやしく手をついて、ひたいを畳に摺り付けるのを、外記は手をあげて制した。