후리가나로 읽는 일본 고전
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かごつるべ
江戸情話集
岡本 綺堂
岡本 綺堂의 江戸情話集(かごつるべ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 203,779자 · 407화면
「やあ、今晩は。里ちゃんの家はこっちへ行くの」
「ええ、外神田で……」
向柳原へ帰る男と外神田へ帰る女とは、途中まで肩をならべて歩いた。お絹から思いもよらない疑いを受けている林之助は、こうして夜ふけにお里と繋がって歩いていることが何だか疚しいように思われてならなかった。しかし先方から馴れなれしく近寄って来るものを、まさかに置き去りにして逃げて行くほどの野暮にもなれなかった。二人は軽い冗談などを言いながら連れ立って歩いた。
「いいお月さまですことね」と、お里は明るい月をさも神々しいもののように仰いで見た。
「ほんとうにいい月だ。あしたのお月見はどこも賑やかいだろう。里ちゃんも船か高台か、いずれお約束があるだろうね」
「いいえ、家がやかましゅうござんすから」
家がやかましいのか、本人の生まれ付きか、とにかくにお里が物堅い初心な娘であることは林之助も認めていた。彼はお絹の妖艶な顔と、お里の人形のような顔とを比較して考えた。執念ぶかそうな蛇の眼と、無邪気らしい鈴のような眼とを比較して考えた。そうして、なんにも知らずに人から呪われているお里が気の毒にも思われた。
お絹は今夜自分を不二屋へ引き摺って行って、彼女の見る前でお里と手を切らせると言った。