후리가나로 읽는 일본 고전
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りゅうけつせんにしへいく
流血船西へ行く
山本 周五郎
山本 周五郎의 流血船西へ行く(りゅうけつせんにしへいく)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 9,026자 · 19화면
そして……胸の悪くなるような血の匂いがむっと鼻を衝くのだ。
「是はひどい――」
誰かが思わず叫んだ。然し他の者は唇の色を蒼くしたまま、石のように固く立竦んでいた。――船長は声を励まして、
「みんな拳銃を出せ、安全錠を外して、俺が射てと云ったら遠慮なくぶっ放せ、――是から船内を探査する」
云われるままに、皆は夫々拳銃を取出し、いつでも射てるように確りと右手に握った。船長は血溜りを避けつつ片手に懐中電灯、片手に拳銃を持って船内へ下りて行く、――矢張り血だ。歩廊も、壁も、天井までも生々しい血痕で埋まっている。どんな奇想天外の空想も、それだけの血を流す惨劇は考える事が出来まい。ネブカドネットの大虐殺でさえ、恐らくこの惨状には及ばぬだろう……遉に海の猛者たちも、この凄絶な光景には眼を外向けた。
流血船、流血船、――正に是こそ流血の船と呼ぶ以外に呼名はない。
船長は先に立って、中甲板から下甲板、船底に至るまで隈なく調べ廻った。何処にも人の姿はない、死体の影も無い。到る処に壊れた船具や、木材の破片が散らばっているだけである。――荷物と思われる物さえ無いのだ。全くの無人船、ただ生々しい血潮だけが、恐るべき事件の跡を物語っている。