후리가나로 읽는 일본 고전
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きえたミジアム
消えた霊媒女
大倉 燁子
大倉 燁子의 消えた霊媒女(きえたミジアム)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 15,605자 · 31화면
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話はそれからなんですが、あの晩は霧が深くて街燈がぼうッと霞み、往来はまるで海のようだったそうです。六条さんの御門を出ると、忽ち小宮山麗子の姿は霧の中に吸い込まれたように見えなくなり、それ限り消息が絶えてしまったんです」
書斎の安楽椅子にふかぶかと身を投げかけながら、S夫人は、スリー・キャッスルの煙の行方を心持ち目を細めて追いつつ、さも感慨深そうにいうのだった。
「どうして突然こんな話をはじめたか、あなたは変に思われるでしょうが、実はこの事件が抑私をこんな職業に導いた動機だと云ってもいいのですよ」
ある事件が一段落ついて、朗らかな気分になっていたS夫人は、自分が探偵に興味を持ち初めた最初の動機について、私にその思出を語ろうと云うのである。
2
それはもう大分過去に遡らねばならないことで、まだS夫人の夫の博士がシャム国政府の顧問官でいた時代で、その頃夫人も夫の任地へ赴いて、そこで二三年の月日を送っていたことがあった。
「その当時のことなんですが」
夫人はそう云って、デスクの前の壁に掲げてある大きな写真を指しながら、
「この写真が、その頃写したものなんですよ」